~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
たった。
たった三年見ていなかっただけなのに。
苦しいくらいに、懐かしくて、悲しい。
どうしてもっと早く来なかったんだろう。
のどの奥が熱くなって、鼻がツンとする。
目の前が、かすんだ。
大きく息を吸い込んで、もう一度玄関を正面から見つめる。
…幽霊屋敷なんて言ってたけど、全然そんな感じはしない。
むしろ、三年も人が住んでないのに綺麗過ぎる気がする。
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