~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
気付いたら隣にキサキがいて、まじ焦った。
「も、もうすこし分かりやすく登場してくんね……?」
「…?ハイ。分かりました。」
ふわっと、花でも咲くように笑うもんだから、
とくん。
心臓が、跳ねた。
「どうして呼んだんですか?」
にこにこしてるキサキは、やっぱり、心臓に悪い気がする。
だけど、そんなことを言ってる場合じゃねえんだ。
「なあ、ヒメって何のことか知ってるか?」
「ヒメ、ですか……?誰でしょう?」
「じいちゃんが昔、言ってたんだ。」