~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
じゃあ。
「じいちゃんは、俺に妃を頼む、って言ってたんだな…。」
「え?」
「じいちゃん、“ヒメを頼むぞ”っていつも言ってたんだ。」
「そんな、いいのに。」
寂しそうに、でも嬉しそうに笑う妃を見ていられなくて、目をそらした。
「そういえば、妃っていくつなんだ?」
見た目は、14、15歳に見えるけど…
その割には、妙に落ち着いてねえか?
話し方も、大人っぽいし。
「それは、私が死んだときの年齢ですか?それとも、今の?」
あ。
そこに、差があるもんなのか…
なんか、わりいこと言っちまったか…?
「…唯さん。何も気に病むことはありませんよ。私、気になりませんから。」
笑ってる妃は、嘘をついているようには見えなかった。
「ヒサヒトさんも、聞きましたしね。」
じいちゃんも?