~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「私が幽霊としての記憶を持っているのは、せいぜい180年分くらいです。」
180年っ!?
それでも、かなりの時間じゃないか?
「でも、私が死んだのは藤原氏の全盛期でした。……意味が、分かりますか?」
藤原、氏?
それって、平安時代じゃなかったか?
「つまり、死んだのは千年ほど前のことなんです。それから、180年前に幽霊になってこの世に戻ってきました。」
そんなことって。
「…ありえるのか?」
せめて、また人になって生まれてくる、とか。
幽霊になって戻ってくるなんて、ありえるのか?