~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「え?唯、ですか…?」
「おう。俺も妃って呼んでるし。歳も、一緒だし。」
「まあ…!そうなんですか?」
「ああ。」
「唯…。ふふっ。唯…!」
「なんだよ…」
妃は、何度も唯、と口にする。
さすがに、照れるし。
「私、人をこんなふうに呼ぶの、初めてです!」
え。
「唯、って呼び捨てにするの、唯が初めて!」
キラキラと笑う妃の顔を見たら、どんどんと心臓が暴れだした。
初めて、か……。