~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】



それからも妃は「唯、唯。」とうわ言のように何度も呟いていた。


なんだか微笑ましい。




それに、じいちゃんのことは「ヒサヒトさん、」と他人行儀なのに俺のことは名前で呼んでくれるから、少しのアドバンテージを感じる。



まあ、じいちゃんにそんなの感じるのも変な話なんだけど。







「唯、もう12時になりますよ。」

「え、あ。ホントだ。」

「ご飯はどうするんですか?昨日みたいに缶詰だと体に良くないですよ。」

「見てたのかよ!」

「ふふっ」




なんか、知らないとこで自分が見られてるのってちょっと怖いかもしれない…。



妃なら、いいんだけど。









「私、お米の炊き方ならわかりますよ。」






そんなわけで、自分でお米を炊くことになった。







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