~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
妃が案内してくれたのは。
トイレ、風呂、台所といった生活にかかせないところ。
井戸の使い方と、風呂の焚き方。
「お風呂も、火で温めるんですよ。」
いつの、時代の生活か。
もしかしたら、じいちゃんはずっとこんな生活をしていたのかもしれない。
俺らが、いないときは。
そのほかにも、もう三年も使われていない食器と、布団と。
「あ、明日お布団干しましょうね。」
そういえば、干そうと思ってたんだった。
「…ああ。」
いろんなところを見るたびに、じいちゃんがいるような気がした。