~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「妃…なんで来たんだ?」
「私はよく、ここにいますよ。一日に一回は、ここに。」
「そっか…」
「唯は、どうしてここに?」
「川を…登ってたんだ。」
「川?あの、川ですか?」
すぐそばで流れている川を妃が指差す。
「そう、あの川。」
「あの川は、強いですよ。」
ん?
川が、強い?
「…この世のいろいろな物には、力があります。目に見えない、力が。」
目に見えない、力…
「人間はそれを、霊感と言いますね。霊感が強い人が感じられる、力です。」
「それって、幽霊が見えたりすることも、だろ?」
「そうです。だけど、幽霊が見える人は少なくはありません。」
そう、なのか?