~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
「唯、服は足りていますか?」
「まあ。誰に会うわけでもねえし?」
もともと三日分あった俺の服。
洗濯しながら、着まわしてる。
「買い物とか、いいんですか?」
「そんなに金持ってきてねえし。」
妃は、常に和服だ。
着物というより、浴衣。
「今日はきゅうりが食べごろですよ!」
じいちゃんちの庭には、たくさんの野菜が植えてある。
何年も、生えては枯れ、生えては枯れ。
妃が、守ってきたもの。
「この、きゅうり?」
「そうです!あ、あのピーマンも!」
妃がひらひら飛び回る。