~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
そうして俺達は初めて二人で出かけた。
まあ、普通の人から見たら俺一人なんだろうけど……
そう思うと、すこし寂しい。
妃が目に見えない幽霊なんだって再確認させられた気になる。
「唯!なんですか、これ?」
大きなスーパーに来て、野菜売り場ではしゃぐ妃。
なんだ?
何があったんだ?
「……ん?」
「これ!紫色です!」
「…紫キャベツ、だろ?」
「すごい色ですねえ。」
見たこと、なかったのか?
俺も、そんなに食ったこととかないけど。
目をキラキラさせて、変わった色のキャベツを見ていた。