~夏の思い出~ 君に、初恋。【完結】
妃はいっこうに浴衣から目を離さない。
やっぱり、妃が変だ。
「いや~。俺のお気に入りの浴衣なんだが、なかなか誰も買おうとしねえんだよな。やっぱり地味だからか?」
「さあ…。」
「兄ちゃん、これ、彼女にプレゼントかい?」
はっ!?
彼女!?
「そんなんじゃ…ないっすけど…」
「はっはっは。いやいや、別にいいんだがな。」
妃が彼女…
だったら、いいのにな。
「ただ、これが似合う女の子ってのはなかなかいねえと思うんだな、俺は。」
「どういうことっすか?」
「俺の勝手なイメージなんだが、聞いてくれるか?」
「はい。」
イメージ?
妃なら似合いそうだけど…。