LITTLE
 部屋に戻った頃には、恥ずかしさで頬は火照り、ジッとしていられないような衝動に駆られた。
 ベットの上に倒れ、枕に赤面した顔を押し付ける。
 今日は最悪だ。
 ママに裸を見られた上に、麗太君にまで……。
 しかも……全部。
 全部、見られてしまった。
 胸も、腰も、お腹も、お尻も……その、お尻の前の方とか……。
 どうしよう、次に麗太君に会う時にいつも通りの自分でいられる自信がない。
 次に会う時……夕飯……。
 もう、今日の夕飯はいらない。
 とりあえずパジャマを着て、朝まで寝よう。

 目が覚めると、部屋の中は真っ暗で、淡く暗い光が窓辺から差し込んでいた。
 どうやら、眠っている間に夜になっていたようだ。
 放置されていた冷房から吹く風が、部屋の中を完全に冷やしていた。
「寒い……」
 枕元に置いてある目覚まし時計の針は、九時を示している。
 朝まで寝ようと思っていたのだが、もう眠れそうにない。
 やっぱりお腹も減ったし、とりあえずリビングに行ってみよう。
 麗太君には、ちゃんと話をしないと。
 あんな格好でうろついていた私が悪い訳だし。

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