LITTLE
 さっきまでは平気だったのに。
 姿勢を保つ事が出来ず、私の半身は机に倒れた。
「ちょっと優子?! どうしたの?! ねぇ!」
「優子ちゃん! どうしたの?! 話が大人過ぎてショートしちゃったの?!」
 二人の声が聞こえる。
 なんとなく、体を揺すられている事も分かる。
 でも、だるくて体が動かせない。
「あ、ちょっと来て、優子ちゃんが……優子ちゃんが!」
 由美ちゃんが誰かを呼んでくれたみたいだ。
 誰かの背中におんぶされた。
 体を密着させている背中からは、何となく知っている香りがした。
 これは……私の家の香り。
 ママ?
 それともパパ?
 まさか、ママやパパがここにいる訳がない。
 じゃあ、もしかして……。



 気が付くと、目の前には白い天井が見えた。
 体を預けた真っ白なベット。
 それを仕切る真っ白なカーテン。
 額に貼られている冷えピタ。
 ここが保健室だという事に、ようやく気付いた。
 私が倒れた後、どうなったんだろう。
 たしか、誰かの背中におんぶされて……。
 その後の事が思い出せない。
 いや、そこで意識がなくなったんだ。
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