ぶらんこ

あの人

窓の外は明るい

私の心は…

何百回、何千回問いかけている
解りきっている答えと、どうしてそうなってしまったのかという疑問と、変わることのない日常にため息しか出てこない
『ハァァ…』

私は何万回の幸せを逃してきたのだろうため息をつくたびに、私が私を不幸にしているのだと気づかされる

あの人は今日も顔いっぱいに口をあけて、大きな声で私たちに問いかける

間違っていても否定はしない

自分の考えをのせるだけ

そんなあの人を誰も嫌いにはならない
みんな優しい眼差しで見つめている

私も嫌いではない

ただ見つめている
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