君が欲しい

すると、おじさんと入れ替わりに白いナース服を着た看護師さんが入ってきた。

「やっと事情聴取が終わったのねぇ、お疲れ様」

「…………はぁ」

ニコニコと看護師さんは笑うけれど、何が“お疲れ様”なのかわからない。

「あの、どうして僕はこんなところに居るんですか…?」

生き生きとした看護師さんの瞳を見ながら僕が尋ねると、彼女は少し驚いたようにし、するとすぐに納得がいったように1人で頷いた。

「あぁ、そういえば記憶喪失だったわね」

< 5 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop