聖戦物語 奇跡が紡ぐ序曲~overture~
1.邂逅
第零楽章
暗闇に紛れ、静けさに埋もれる中で彼は目を開いた。視界を覆う黒一色だけが、彼が見慣れたものだった。―――それ以外に覚えのあるものはさしてなく、彼はある意味さびしい人生を送っているのかもしれなかった。
だが、それでも彼は長くこの闇の中で暮らし続けた。自分とは全く別種の者たちに崇められながら、尚表に出ることなく、ただ静かに闇に抱かれて眠り、穏やかな時を過ごしていた。
しかし、ようやく彼は見つけた。興味本位で表に顔を出したとき、偶然にも見つけたのだ。
―――面白い。
それを見つけたときは、ただそう思った。そして、それが自分のものであるという印をつけた。
それから十余年が経つ。闇にまぎれて息を潜めながら、ずっとそれを見続けてきた。
―――早く、来い。
奮い立つ胸を躍らせながら、彼は静かに笑みを浮かべた―――…。
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だが、それでも彼は長くこの闇の中で暮らし続けた。自分とは全く別種の者たちに崇められながら、尚表に出ることなく、ただ静かに闇に抱かれて眠り、穏やかな時を過ごしていた。
しかし、ようやく彼は見つけた。興味本位で表に顔を出したとき、偶然にも見つけたのだ。
―――面白い。
それを見つけたときは、ただそう思った。そして、それが自分のものであるという印をつけた。
それから十余年が経つ。闇にまぎれて息を潜めながら、ずっとそれを見続けてきた。
―――早く、来い。
奮い立つ胸を躍らせながら、彼は静かに笑みを浮かべた―――…。
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