聖戦物語 奇跡が紡ぐ序曲~overture~
 ゆっくりと開かれたその中に、あるのは数枚の写真だけ。



 そのうちの一枚を手に取り、ゼフロスは写真に指を這わせた。



「………なぁ、アイギナ」



 おそらくは、自然豊かな場所で撮ったのだろう。



 柔らかな緑色に囲まれた景色を背景に映る、ラファエル色の瞳をした、金髪の―――…



「お前だったら、どうするんだろうな……」



 サリアと良く似た顔立ちの娘を見つめ、ゼフロスは静かに嗚咽を漏らし始めた―――…。






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