聖戦物語 奇跡が紡ぐ序曲~overture~
「―――――アンゼルシア様の食事に毒が入っていて、口にした毒見役が死んだそうだ」
「………ひとひとり殺してまで、欲しがるほど王后の座は魅力的なものですか……」
呆れたとでも言うように呟く青年に、皮肉な笑みを浮かべて友人は零す。
「ナギ様のところに毒薬があったことから流刑にしたらしい。ギル様を暗殺したのもナギ様の指示だと吐いたためにキーヴェルの牢獄に閉じ込めたそうだぞ」
「………キーヴェル………またそんな辺境に送るとは、陰湿極まりないですね……」
苦い顔をした青年に、確かになと友人が応答する。
「………だが、今はナギ様のことを気にかけていても何もできないからな。当面は、此処での問題解決に集中するつもりだ」
「それが懸命だろうね…。サリアが、ナギ様のことを言わなければいいけれど」
「そのための手は打った。安心しろ」
そう言った友人に、信用していると笑い、青年は扉を開ける。
「………ひとひとり殺してまで、欲しがるほど王后の座は魅力的なものですか……」
呆れたとでも言うように呟く青年に、皮肉な笑みを浮かべて友人は零す。
「ナギ様のところに毒薬があったことから流刑にしたらしい。ギル様を暗殺したのもナギ様の指示だと吐いたためにキーヴェルの牢獄に閉じ込めたそうだぞ」
「………キーヴェル………またそんな辺境に送るとは、陰湿極まりないですね……」
苦い顔をした青年に、確かになと友人が応答する。
「………だが、今はナギ様のことを気にかけていても何もできないからな。当面は、此処での問題解決に集中するつもりだ」
「それが懸命だろうね…。サリアが、ナギ様のことを言わなければいいけれど」
「そのための手は打った。安心しろ」
そう言った友人に、信用していると笑い、青年は扉を開ける。