聖戦物語 奇跡が紡ぐ序曲~overture~
4.波乱
第一楽章
―――ついに、やってきた。
全学年が待ち望む年に三度だけ行われる、学年昇格試験。その決行日が。
音律士(クルーナー)としての才能を覚醒させ、ついにセカンド昇格の希望を見出したサリアも、この日を万全で迎えるために必死で特訓した。
「……頑張らないと」
ぐっと拳を握り締め、決意を新たにするサリアの肩を、誰かが叩く。
「最初から力みすぎているわ。もう少し気楽になさい」
「え? フィニ?」
「私以外の何に見えるの?」
首を傾げたフィニアは、戸惑うサリアにそう問いかける。
「だって、前回出てフォースに合格したからきっと今回はでないと思ってたのに……」
「………少し考えることがあったの。その結論が、こういうことよ」
「…………よく、分からないけれど…」
首を傾げて苦い笑みを浮かべるものの、サリアはフィニアの手を取る。
「お互い学年上がれるといいね」
「………えぇ、そうね」
淡く微笑んだフィニアに、サリアも満面の笑顔で笑い返した。
全学年が待ち望む年に三度だけ行われる、学年昇格試験。その決行日が。
音律士(クルーナー)としての才能を覚醒させ、ついにセカンド昇格の希望を見出したサリアも、この日を万全で迎えるために必死で特訓した。
「……頑張らないと」
ぐっと拳を握り締め、決意を新たにするサリアの肩を、誰かが叩く。
「最初から力みすぎているわ。もう少し気楽になさい」
「え? フィニ?」
「私以外の何に見えるの?」
首を傾げたフィニアは、戸惑うサリアにそう問いかける。
「だって、前回出てフォースに合格したからきっと今回はでないと思ってたのに……」
「………少し考えることがあったの。その結論が、こういうことよ」
「…………よく、分からないけれど…」
首を傾げて苦い笑みを浮かべるものの、サリアはフィニアの手を取る。
「お互い学年上がれるといいね」
「………えぇ、そうね」
淡く微笑んだフィニアに、サリアも満面の笑顔で笑い返した。