聖戦物語 奇跡が紡ぐ序曲~overture~
「…………頼んだ」
「ええ。――――すべてが終わったとき、あなたにも幸福が訪れるように仕向けますから、安心していいですよ」
軽口のように紡がれた言葉に、ゼフロスは淡く苦笑する。
「――――期待しているよ、ハイネル」
「………されなくとも、結果は出してみせますよ。………我が一族の名に掛けて」
淡く笑んだ青年は、そのまま扉から出ていく。その後ろ姿を視線だけで見送ったゼフロスとリアンは、閉ざされた扉を暫くじっと見つめたあと、視線を交わした。
「………大丈夫ですか?」
「そう見えるか?」
「いえ」
淡々と交わされた言葉の応酬はすぐに打ち切られ、リアンはゼフロスの傍らへと歩み寄る。
「ええ。――――すべてが終わったとき、あなたにも幸福が訪れるように仕向けますから、安心していいですよ」
軽口のように紡がれた言葉に、ゼフロスは淡く苦笑する。
「――――期待しているよ、ハイネル」
「………されなくとも、結果は出してみせますよ。………我が一族の名に掛けて」
淡く笑んだ青年は、そのまま扉から出ていく。その後ろ姿を視線だけで見送ったゼフロスとリアンは、閉ざされた扉を暫くじっと見つめたあと、視線を交わした。
「………大丈夫ですか?」
「そう見えるか?」
「いえ」
淡々と交わされた言葉の応酬はすぐに打ち切られ、リアンはゼフロスの傍らへと歩み寄る。