わたしの好きな人は先生です
そんな事を考えていると、ちょうど廊下に中野が見えた。
「すいません。尾瀬先生、ちょっと行きます」
勢いづいて立ち上がった拍子に、椅子を倒した挙げ句、
弾みで棚の本が、バサバサと落ちた。
「うわっ、すいません!」
「吉川先生、私がやっておきますから。急ぎなんでしょ?」
「いえ、片付けます」
仕方ない。
中野は、また別の機会にしよう。
そう思っていたら、中野が呆れた顔で、こっちを見ていた。