ただ笑顔の為だけに
「よう、今帰りか?」


おいおいこのタイミングで話し掛けるか普通?

覗いていたと勘違いされるじゃないか、いや実際覗いていたようなものなんだけど、あぁ行っちゃった。

そりゃ気まずいよ、誰だってフラれるシーン見られて嬉しいわけがない。

しかしアイツは意にも介さず、「腹減ったな、どっか寄っていこうぜ」とか適当なことを言っている。

既になかったことのように、いやこいつにしてみればそれが日常の一部なのだろう。

退屈な授業のような、過ぎていく日々の一部。

いちいち気にしてなどいられない。そういうこと。

それが、羨ましいような、憎たらしいような。
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