スイーツなカレシ
誰かが俺のケーキを買ってくれれば、俺は有頂天になれると思っていた。
だけど、現実はそうじゃなかった。
あの子の笑顔を見た瞬間、自信は不安に変わった。
本来なら、金を払う価値もない未熟なケーキ。
自分のケーキが、あの無邪気な笑顔に値するだけの価値がないことを、ハッキリと気付かされた。
あのケーキを食べたあの子は、ガッカリしないだろうか。
選んだ事を後悔するんじゃないか・・・て。
あの笑顔を俺のケーキが消してしまったら・・・
そう思ったら居ても立ってもいられず追いかけて行って、取り返したい罪悪感に駆られた。