スイーツなカレシ
身じろぎも出来ずただ不穏に二人を睨んでいると、黒瀬がふっと溜息を吐いて、俺に向かって来た。
「アンタ、意外と余裕ねぇんだな。」
「なん、だと?」
図星を突かれて頭に血が昇る。
反射的に殴りかかろうとして、ハラハラした胡桃の顔が見えて、拳を下ろす。
黒瀬はそれ以上突っかかってくることもなくさっさと踵を返し、胡桃も心配そうな顔を残すだけして後を追っていってしまった。
「・・・・あんなヤツにまで心配されるなんざ、情けねーんじゃねぇの、赤松彼方」
呆れ果てたと言わんばかりにソウがふらっと身を翻す。
「え?あれのどこが心配だったんすか!?意味分かりませんヨ、九条さんっ」
コーハイがソウの後を追い、俺もムカムカしながら別方向へ歩き出した。
そしたら、学校で粋がってる奴と鉢合わせて喧嘩になり、八つ当たりにノしておいた。
ちょっとストレス解消。
だが、根本的なコトは何も解決してなかった。