スイーツなカレシ
シューを食った奴等が愕然と叫びだした。
「ぅわ・・・うめぇ。」
「このテクで彼方さんを落としたのか・・・」
「・・・いや、それは・・・・」
一瞬躊躇い、それでも覚悟を決めて口を開いた。
「違う。作ったのはコイツじゃねぇ。・・・俺が作った。」
一瞬水を打ったように静かになった場に、俺はもう一度ゆっくり息を吸い込んで続けた。
「俺ン家ケーキ屋だし。家は兄貴が継ぐだろうけど、俺も将来はケーキ屋になりてぇって思ってる。本気でな。」
やっぱ、キャラじゃねーか。
認めらンねぇか。
だけど打ち明けた事に後悔はない。
俺にとってはコイツ等もケーキも同じくらい大事で、隠し事なんてしたくねぇから。
コレで拒否られるんなら、しかたねーと受け止める。