スイーツなカレシ

慌ててカバンを掴み振り返って、硬直した。



ヒトがいた。


教室の入り口に、さっきまでいなかったヒトがいた。

そのヒトは一部始終を見てました、と言わんばかりにじぃって私をガン見している。





ひぇぇぇぇ。

ひょっとしてこのケーキ、貴方様のでございましたか!?




よりにもよって。







赤松彼方







一つ上の三年生。

口きいたことなくてもしってる。

チョー有名人。

この界隈のトップ。

いや、賢い方ではなく・・・フリョウの。

ついでに顔もこの界隈トップレベルです。

190㎝に近い長身に、それに見合う巨躯。

整った大ぶりのパーツが並んだ男っぽい顔立ち。

肉食獣を思わせる鋭い眼差し。



『赤松さーん、私の愛情一杯籠ったプレゼント教室に置いてきたから食べてねん♪』

なんて派手なギャル子に言われてノコノコ出向いてきた経緯が頭を過る。
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