スイーツなカレシ

そっとポケットから手を戻した私は胸の痛みをごまかすように笑顔で杏ちゃんに向き直った。



「さー。授業始まっちゃうしー。早く行こ♪」



気にしない。





他の人に紹介するのがハズカシイ彼女でも、二人っきりの時はちゃんと優しくしてくれるもんね。










たとえ目的が餌付だとしても!









メールの呼び出しで今日も屋上に行くと先輩が既にいた。



「遅くなってゴメンなさーい。」



謝りながら先輩の元へ駆けより、持って来たお弁当を渡す。






ずっと、私がパンを食べている間、先輩はガン見していて、お昼食べてなかった。




その辺りを聞いたら『適当』と返ってきた。





家で食べてから登校する時もあるし、昼前に早弁する時もあるし、て。








フリョウ的模範解答だ。
< 60 / 229 >

この作品をシェア

pagetop