夜の夢
しばらく淳平さんの腕の中にいた。

淳平さんをずっと見つめながら。


「そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど。」

「あっ、ごめんなさい。」


何も話さなかった。

聞きたいことは山ほどあるのに、それよりも淳平さんの腕の中にいる事の方が良かったから。


淳平さんも何も話さなかった。

私の髪を撫でて。



「今日はここに泊まっていく?」


「あっ!!」


急に現実に引き戻される。

「今何時なんでしょう?」

「もう少しで0時だよ。」

「やばっ…」


淳平さんと会ったのは多分20時頃だった。

こんなにも長い時間いたんだ。


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