夜の夢
「その様子じゃ帰んなきゃいけないんだね。
送るよ。」


急に寂しい気持ちが心を締め付ける。

やだ…

離れたくない。


そんな私の気持ちを察したのか、

「大丈夫。
また会えるから。」


なんの根拠もない。

でも何故か信じた。

私もなんとなくそう思っていたから。


「そうですね。」



服を着てホテルを出てまた車にエスコートされる。


今日1日酷いこともあったけど、それよりもはるかに幸せだった。



「今日はありがとうございます。」

「こちらこそありがとうだよ。」


淳平さんは手を握り締めながら、私の家まで送ってくれた。


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