夜の夢
「いいです!覚えなくて!」

子供なのは私が一番わかってる。


だけど大人な対応なんてどうしたらいいかわからない。



「女の子をこんな時間に一人で歩かせられないよ。
だから送らせて。
なっ?」


優しい声でなだめるから…

優しい手で頭を撫でるから…


私は頷く事しか出来なかった。



「さくらちゃん。
今日は俺に抱かれてくれてありがとう。」



淳平さんは家の前に着くとそう言ってキスしようとする。


「やめて!
もう会わないんだから、最後にキスなんかしないで!」

優しいキスをされたら、忘れられなくなるんだから。
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