夜の夢
ホテルの部屋は26階で、窓が大きくて私の知らない世界だった。



「凄い…」


窓からの景色に見取れていた私の後ろから抱かれる。

そして首筋を舌でなぞられる。


「あっ…」


すべてをあずけたい。

そう思うくらい身体に快感を感じた。



「このワンピース可愛いね。
誰のために着てるの?
妬けるね。」

「誰の…ためでもないです…」

「本当?
じゃあ俺のためだったのかな。」


首筋でこんな言葉を囁かれたら、それだけでおかしくなっちゃう。


「何ちゃんっていうの?」

「っ…さくらです…」

「さくらちゃん。
可愛いね。」


「あなた…は?」

「淳平。」

「淳平さん…」
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