彼×私×彼女の事情

ランチを食べてご馳走の材料と部屋を飾るお花、勝負下着を買って帰った。


鼻歌を歌いながら花を飾る。そして料理の下ごしらえ。俊くんは魚が大好き。今日のメイン料理はアクアパッツァ。携帯でレシピを見ながら準備。雑穀ご飯を用意して前菜のマリネも用意して忙しくなるぞ。


(ピーンポーン)


誰だろ?またセールスだろう。覗くだけ覗いてみよう。怪しそうだったら居留守使えばいい。手をタオルで拭きながら覗くとビックリ!お義母さんが立っていた。



「どうしたんですか?今開けるので。あっ、わかります?部屋?」


「それぐらいいけるわよ」

ハハァ。インターホン越しに苦笑い。


えっ、部屋は大丈夫?
私の散らかった部屋!


今更なにも出来ない。


来る!頭の中のBGMはジョーンズが近付いてくるテーマ曲。恐怖、恐怖、恐怖!


チャイムを鳴らされる前に待ってよう。


玄関のドアを開けると同時にエレベーターが着いた。

エレベーターまでお義母さんを迎えに行く。


大荷物を持って出てきた。

海外旅行サイズのスーツケース。それにボストンバック。どっかに行く前によったのかな?


「狭い家ですが入って下さい。ここです」


とドアを開ける。


「スリッパどうぞ」


「ありがとう。お邪魔します」


「ソファーにかけて下さい。今日も暑いですね」


冷蔵庫から冷たいお茶を入れる。


お盆にのせて運ぶ手が震える。カチカチと音がなる。

「どうぞ。冷汁とかありがとうございました。食欲ないのに食べれました。そのおかげで完治です」


「そう。よかったわぁ」

そういいながらお義母さんはお茶を飲む。


……。


会話、会話をしないと。
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