彼×私×彼女の事情
「心配して来てみたらなにこれ?どういうこと?」


「ちょっと怒ってる?」


「当たり前でしょうが」

さっきまでの光り輝いていた営業スマイルはどこへ行ったのか顔が怖い。


一通りの説明をして納得してもらった。


「じゃ、とにかくお義母さんの機嫌をよくして置けばいいのね。美樹も次から次へと大変ね。私ならマザコンを告白された時点で別れてるわぁ」


「マザコンを我慢する価値が俊にはあるの。心はキレイだしイケ面だし私のこと大切にしてくれるし」


「ふぅーん。それってお義母さんが教育熱心だったから出来た人格じゃない?自分、好みの男に育てたってことね」


「えっ」

サキの言葉がいいことなのか解らない。


「えっ、って気が付いてないの?素直に話してくれない男が嫌だからきちんとあったこととか話しをするように教育。マシンガントークを黙って聞いてくれる人が居ないからちゃんと聞くように教育。探せばもっとあるんじゃない?ある意味いいことじゃない」

……。

固まった。私が好きな部分は確かにお義母さんの教育かもしれない。他の男にない所をマザコンの俊がもってるのは事実。


カウンターパンチをくらったみたい。


「なに固まってんの」

「えっ、いゃ。ん〜正直考えもしなかった」


「ハハハァ」


サキは大笑い。


「そんなに笑わないで」


「ごめん。ごめん。得意のポジティブ精神で切り抜けなさい」


「他人事だと思ってる」


サキの言うとおり前向きに受け取ろう。


でもお義母さんが作り上げた人格って怖くない?恐ろしい。インフルエンザは完治したはずなのに体が重くてしんどい。


「それより、美樹はあのお義母さんのこと好きになれるの?」


「努力中。家族みたいに思うって俊と約束したこと聞いたらしくてこうなってる」

「うまく利用されたようね」

「でも、一番そこが大事なんじゃない?」


「そうなんだよね。お義母さん自体が本性みせないからいい人か悪い人かも解らない。嫉妬して嫌がらせするのとただ嫌がらせ好きとでは違うし……」

「まぁ〜確かに」

「どっちだと?」

私はサキに聞いた。
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