彼×私×彼女の事情
「内容によるかな……」


苦笑い。


無難な答え……恵子の婚約者、新堂隆太につながりませんように。

それだけ強く願った。


「それはそうですけね。結婚とかは……?」


展開早いなぁ。


繋がるじゃん。


勘違いでありますように。


「もぅ、既にたくさんの後輩に抜かされてるからね……気になる領域は越えたかな」


「じゃ、私もいいですか?」


!!!


ダメダメ。


いいんだけど……相手が気になる!



「早いね。でもいい人は早く捕まえないとどんどんいなくなるしいいんじゃない?」


「さすが美樹さん!話が解る人だなぁ。お兄ちゃんが言う通りできる人」


「えっ?俊くんそんなこと言ってるの?」


思わず聞いてしまった。
自分に正直すぎ。


「こんな僕なのにすぐに受け入れくれたって。心が広くて理解力のある人だっていつも言ってますよ」


「ほんと?なんか照れちゃうなぁ」


顔がニヤケてしまう。
マジ照れしている。
早く会いたいなぁ 。


「私も二人のように信頼し合う仲になれるように頑張ろうって思います」


「いゃ~それはいいすぎだよぅ~」


っと言いながらまんざらでもない顔が隠せない。
お世辞だとわかっているのに嬉しい。


「因みに私の相手はさっき私の前に座っていた人なんです。大学を卒業したら結婚してくださいってプロポーズされてて」


……。


褒められて忘れてたぁ。


繋がってしまった。


こういう変な勘ってなんで当たるんだろう。

しかも話をする鈴ちゃん、めっちゃ可愛い。完全に恋する乙女だぁ。


あぁ~まじでだめ!!


気づつくよ私の情報を知ったら……。


でも、何かあるはず。


だって私……いつもどこか抜けてるから。


まだ望みはある。
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