彼×私×彼女の事情
「あっ、あの〜。」


彼が困ったようにしているのを見てハット思った。


「自己紹介してなかったですよね。仁川美樹です。佐々木教授の教え子で、普段は薬剤師をしています。」



「それで、今日会えたんですね。」




「僕は佐藤俊介です。」



「失礼します。オレンジティーのお客様?」


彼の笑顔に見とれていたらすっかり注文のこととか忘れてた。


「あっ、僕です。」


レンジティーとか頼むなんてかわいい。しかも絵になる。私ずっと目がハートになる~。


そして時間も忘れ話した。


オレンジティが好きという話から食べ物の好みにはじまり、互いの趣味のこと。


会話が弾む。


こんなに会話のリズムが合う人もはじめてかも。

一番聞きたかったどうして助けてくれたのか。それだけは聞くことができなかった。聞くと私の説明もしなくてはいけなくなる……まだ正直簡単には話せない。


思い出すと辛い。



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