彼×私×彼女の事情
「あっ！ヤバイ。」


「えっ、急にどうしたんですか？」


サキに神宮寺を任せたままだった。


怒ってるよねぇ～。


「中に友達を置いてきてしまって……。」


質問に苦笑いで応える。



「僕もそろそろ戻らないと代理に来た意味がなくなるので。あの〜ひとつお願いがあるんですけど……」


ちょっと上目遣いがまた胸がキュンとさせる。



「何？どうかした？」


「日傘、返してもらっていいですか？母からの大事なプレゼントで……。」


「そうなんだ。大事なもを貸してくれてありがとう。もちろん、返します。」


お金貸してとか言われるのかと思った。


そんな馬鹿な想像している場合じゃないか。


この幸せな時間をもっと味わいたい。だけど友人も大事。



ここは後ろ髪惹かれるが、連絡先を交換して別れることにした。次もう一度会えるそれだけで今日は十分収穫あり。


　
彼はそのままトイレに行って迷子になったことにして会場に戻ると言っていた。そして会場の中へ消えていった。


私は入るわけには行かないから外から電話。



　
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