彼×私×彼女の事情
「もしもし、どうかされました?そうなんですか、すぐに行きます。」


サキは私からの電話にでて上手に一人芝居。


ホントにごめんねと心から思った。



そのまま、携帯電話をきり、居場所がロビーだとメール打った。昔からこんなことばかりやっているため二人ともなれた手つきだ。



「大丈夫?」



「うわっ、びっくりした!」



サキが来ると思ってたら恵子が来た。


「そんなに驚かなくても。足の具合どう?」



「もう、大丈夫!ほら、ね。平気でしょ。」


と言いあせりながら私は左足首をぶらぶらさせた。



「右足じゃなかった?」


 ……。



「挫いたのはね……左足も一緒にその時打ったの」


だいぶ無理がある。


嘘が嘘に聞こえない。



「そうなんだ。大変だったね。」



完全にバレてる。


笑顔でごまかし続けているのが見苦しい。しかしこのまま続けよう。なぜ、嘘をつくことになったかを説明するほうが面倒だ。



「サキは一緒じゃなかったの?」



「すぐによくなったから会場に戻ってもらったの。恵子は何してるの?」


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