彼×私×彼女の事情
このまま素直に帰る気にはなれない。


二人で飲みなおすことに。


二人で学生時代から通っているよく行くお店で創作洋食店。繊細な料理からスペアリブなど豪快な料理までマスターと奥さんが二人でやっている。


居酒屋といった雰囲気はまったくないがマスターのこだわりで居酒屋と定義つけている面白いお店だ。


私たちが二人そろっていくといつも奥にある秘密の部屋に案内してくれる。3人ぐらいが座ることが出来るスペースにテーブルがひとつ。床が畳で気持ちがいい。他の客から見えない。のであぐらで座ろうが立てひざついて座ろうが気にすることがない。この秘密の部屋はマスターが気に入った客だけを案内するらしい。



 マスターのお気に入り客の私たちは席に着くとすぐに飲み物が出てくる。私はカシスオレンジ、サキはビール。マスターは客の好みまでしっかりしている。

 
 「料理はどうする?」


 「私は軽めに、美樹にはいつもどうり」


 「まかせとけ〜♪」


 
 マスターはいつも自作の唄を歌いながら料理を作りに行く。毎回唄は違う。いつも適当だ。



 「中で食べる暇あったの?」


 「神宮寺、娘連れてきてて。23歳って言ってたかな?体が弱いらしくて神宮寺の秘書やってるって言ってた。娘さんがどうぞって勧めてくれて。半分は娘とはなしてたかねぇ~若い子とブッフェ行った見たいに」



 「いい子だね。いつもは隠れて食べてたのに」


 
 っと笑いながら二人とも運ばれてくるお酒がジュースのように進む。


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