彼×私×彼女の事情

家族に紹介してくれる予定の日になった。


当たり前だが、この日の為に私は服を買った。新しい化粧品を買い、母うけの良いメークも勉強した。



メールが届く。車で迎えに来てくれた合図。


すぐにマンションから降りて車に乗り込んだ。


乗り込んですぐに俊は

「メークく変えた?髪も切った?なんか優しくなった感じでこの方が好き」


「ホントに?なんか張り切っちゃって」


照れながら嬉しさが止まらない。


俊の家は私の家から車で30分くらいの所にある高級住宅街。


真っ白な家に庭先からガーデニングが見える。雑誌に載っているような感じで薔薇が咲き誇っていた。


「ガーデニングがお母さんの趣味なんだ」


「プロ並だね」

私は本当に感心した。


「この間、肥料買うのに付き合ってデートに遅れたんだ。ホントにごめん」


「いいよ。気にしなくて。この庭を維持すには必要だよ。」


「ありがとう、いつも優しくしてくれて」


優しい目にいつも吸い込まれそうになる。


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