彼×私×彼女の事情
「お邪魔します」
綺麗にそうじされ、手作りのつるの置物が玄関に飾られていた。
「あら、こんにちは。また可愛らしいかた。どうぞあがって」
言いながらお母さんが二階から降りてきた。
「はじめまして、仁川美樹といいます」
緊張する。
またって言った気がしたがそれどろじゃない。はじめが肝心。
「母の美智子です。さぁ、挨拶はゆっくり中で色々話しを聞きたいわぁ。あら、ごめんなさい。スリッパ。俊ちゃんが緊張してるの?ちゃんとエスコートしてあげなちゃ」
スリッパを出してもらい応接室へ。
もちろんだが私の実家には応接室などない。リビングも小さいのがあるだけ。すむ世界が違う感じがした。