彼×私×彼女の事情
応接室に入りもぅ一度改めて挨拶した。お土産のパイを渡した。
「ありがとう。まぁ、北浜屋さん?私ここの御菓子大好きなの」
事前にリサーチしておいてよかった。すごく喜んでくれた。お義母さんは緊張してる私を解すように俊の小さい時の話や私の仕事のこと。不在だったがお義父さんのこと。沢山話してくれた。
順調な進み具合にほっとしていると
(トントン)
ドアを叩く音がした。
「鈴が帰って来たみたい」
俊が言いながらドアを開けた。
「失礼します」
「あっ、はじめまして仁川美樹といいます」
「妹の鈴です」
俊と同じ目力が凄い。
「また、可愛らしい人」
「鈴」
お義母さんが注意するように名前を呼んだ。
またってさっきお義母さんにも言われたような……。
「鈴は橘大でフランス語を専攻してるんだ。たまにボランティアで日本にいるフランス人の通訳したり」
俊が間に入り話しだした。気になったが空気を読んで流した。
「凄い!私は日本語もままならないです」
「そんなことないは立派な薬剤師さんじゃない」
お義母さんはさりげなく私を誉めてくれた。俊の優しさは母親似かな?
妹の鈴ちゃんは話した感じサバサバしているから小姑って感じではないし、なんか上手くやっていけそうな気がした。