彼×私×彼女の事情
宣戦布告

朝、起きるとちゃんと横で寝てくれていた。
スースーとあたる俊くんの呼吸が現実感を増強させた。


綺麗な鼻筋からのびる鼻を指で押してみた。
豚の鼻になってもカッコいい。

ニタニタしていると俊くんが目覚め、少しボーッとしているかと思いきや急に飛び起きた。


「びっくりした~どうしたの?」


「どうしよう!」


「何が?」


「はじめて」


「はじめて?」


体育座りでシーツに顔を埋めて俊くんが呟いた。

「外泊した……」


「……」

ちょっとためて爆笑した。

「アハハ」


シーツから少し顔を出し笑ってる私をすねた顔で見てくる。


「大丈夫。俊くんの携帯を使って鈴ちゃんに上手くやっといてもらえるようにメールを入れておいたよ」

「凄い。どこの携帯電話でも使えるの?」


携帯勝手勝手に使用したにも関わらず褒められたの初めてだ。


「だいたい同じよ」


「そっか〜でもよく思いついたね」


笑顔で言う俊が変なツボとか買わされるんじゃないかと心配になる。


「今日も仕事でしょ?そろそろ起きて朝ごはんにしよ」

私は自分が言った一言に幸福を感じていた。
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