彼×私×彼女の事情
これ以上迷惑をかけれない。


時計を見れば待ち合わせの時間から2時間を過ぎていた。


涙をぬぐい笑顔で顔を作り上げた。


そして隣の彼の方を向いて言った。



「ありがとうございました。もう……」



驚いて声がでなくなった。


時間が止まる感じがした。


隣の彼は芸能人のクラスの美少年だった。


綺麗な肌に整った顔。


茶色の少し長めの髪がよく似合っていて目は吸い込まれそうだった。


「だっ、大丈夫です。」


声に焦っていることが表れてる。


「本当に大丈夫?声、震えてるけど……。」


笑顔で言う隣の彼。


あまりにも素敵すぎて顔がにやけてしまう。


「はい。もう、平気です。機転のきいた心遣いありがとうございます。」

 
自分の馬鹿正直さに呆れてしまう……。


数分前まで失恋して泣いていた私……。


カッコいい人と話すだけで照れ笑い。


だからお前はダメなんだって声が聞こえた気がした。


「よかった。」


100点の笑顔で話してくれる隣の彼。


完全に心を奪を奪われた。さっきまでの出来事すべて嘘のように幸せだった。


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