彼×私×彼女の事情

私は昨夜、この作戦を思い付いてから急いで買いにいった折り紙を差し出した。
それをみたお義母が

「それはしまっておきなさい。せっかく作るんなら素材もよいものを使わないと。どうせ急に思い付いて買いにいったから対したものは購入出来なかったのがまるわかりよ」


「ははは」

その通りです。
近くのディスカウントストアで適当に購入しました。

お義母さんはそういって材料を持ってきて
くれた。白で角度を変えるとキラキラ光る。
触っただけで質の違いを実感。


「ありがとうございます。勉強になります」


素直に受け入れたが無視され説明が始まる。



「先ずは見本を見せてから作り方教えるわねぇ」


とお義母さんは意外と丁寧に教えてくれた。


本当に不器用な私だったがお義母さんの教え方が上手いためすんなり作れた。


いくつかパーツを作れた時お義母さんが口を開いた。

「なんの話が聞きたいの?私の趣味?好物?俊の子供の頃の話?鶴を教えて欲しいなんて良く考えたわぁね。マンツーマンで話す必要ないし、話のネタが無くなったら鶴を作るのに集中してたことにすればいいし。二人でひとつの物を作ることによって達成感が二人の距離を近付けるからね。薬剤師になるくらいなんだからちょっとぐらい頭は使えるようね。単純だけど」


「アハハ」


苦笑い。


完全に私の計画は読まれていた。しかも話のネタまでシャットアウト。


始まったばかりなのに言い返す言葉もなく苦笑いが精一杯。


でも今日の私は違う。


こっから巻き返し!
頑張るんだ!


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