彼×私×彼女の事情

「仕事が休みの日とかチャレンジしてみます」

笑顔、笑顔。私、がんばれ!負けるなぁ〜。


「……」


無視された。


そりゃ、今まで数々傷つくことがあって心臓に毛が生えそうだけど……無視って……笑えない。

苦笑いをしてると


(トントン、ガチャ)


ドアが開いて男の人が入ってきた。

「あっ、お邪魔してます。はじめまして。仁川美樹と申します」

俊くんのお父さんだと感じた。

白髪交じりの髪に優しい笑顔。雰囲気は俊に似ている。家に居るのにスラックスにストラップのシャツを着てきちんとしている。


俊くんのお母さんが好きになるくらいの人なんだからきっとすごい人なんだろう。


「こんにちは、君が美樹さんか。俊から噂は聞いてて会うのが楽しみだったんだよ。ワシだけ仲間外れにせず入れてくれ」


気さくに話ながらお義母さんの横に座った。


「ゴルフの練習はもういいんですか?邪魔してはいけないと思ったから呼ばなかったのに」


「そんなもんいつでもできる。それよりワシの分のケーキはないのか?」


「こんな時間に食べたらお昼食べれませんよ」


と言いながらお義母さんはケーキの準備するために応接室を出ていった。
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