彼×私×彼女の事情

お義母さんがカートを押しながら進む後ろをついてリビングに戻った。


「テーブルの方に座って」

お義母さんの言葉に


「手伝います」

言い返してみた。さっき嫌みを言われたのを汚名返上したい。

「いいのよ。お客様なんだからゆっくりしてて」

優しいお義母さん。って裏が怖い。結局、あの子は何もしない子ってなるのが目に見えてる。

「そうそう。美樹さんは座って座って」

ってお義父さん。将来の為に覚えたらとかパス出して。

お義父さんにも言われてあまりしつこくしても逆効果になるので素直に従うことにした。

「スミマセン……。じゃ、甘えさせていただきます」
また、チャンスを逃した。
あるよね。どっかであるよね。チャンスがまたありますように。もぅ、神頼みしかなかった。


< 70 / 171 >

この作品をシェア

pagetop