彼×私×彼女の事情
「じゃ、メールでもよかったのに。」



「長すぎてうってる途中で腱鞘炎になるわぁ。」


「そこ?アハハハ。」


サキと話すと楽しい。安心する。居てくれて本当によかった。


友達って大事。


「悪いことがあったあとには福が来るって言うから宝くじ当たるんじゃない?」


「あっ、金運ていえば出世話が入ってきた。ブロック長を飛ばしてエリアマネージャーにならないか?って。しかも新店舗に異動して」



「すごいじゃん。」



「会社も私が結婚しないってよんだのかな?」


「そんなに普段は男の気配がなく働いてるの?」


サキは笑いながら言った。


「彼氏が居るって公表してるし、キレイなおねいさんを演じてるつもり……失恋が出世話で平等になるなら出世なんかいらないから結婚がしたい。」



冗談ぽく聞こえるが私は本気。昔は若いお母さんに憧れていた。子供も数人欲しかった。


願いって強く願っても、努力しても簡単にはいかないって何度も経験して知っている。


何度も同じこと繰り返して……私……バカなのかな……。

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