地味子ちゃんの知られざる秘密
私の中で、何かが溶けていくかのような錯覚


私…このお屋敷のこと知っていたんだ


違う―――


毎年、夏と冬に来ていたから


いつも、


『鍵空いてるから、入っていいよ』


この言葉に促されて、お屋敷の中に入った


そうすると、ナオが出迎えてくれる


現実なのに、夢の中のように幸せな日常


それは、普段なら絶対に手に入らない安息の場


「葉奈」


紫音が出てきた


「紫音…私―――」


「分かってる」


私が言おうとしていた言葉を遮られる
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