地味子ちゃんの知られざる秘密
柔らかい声で、だけど有無を言わせない口調で紫音は私の言葉を遮った


「俺は、葉奈が好き
これは理解できるよね?」


そう言われ、首を縦に振る


「記憶をなくす前の葉奈にも、たくさん聞かれたよ?
本当にいいのかって…

だけど、俺は葉奈だから好きなんだよ
それが、どんな葉奈でもね?」


また違う意味で、涙が溢れてきた


「それに、葉奈が離れられなくなるなら、それは本望だし」


そう言って、紫音は柔らかく微笑んだ

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