迷い子
ある日、初めて会った日になぜこの街にいたのかを話した。
「海子姉、聞いてくれる?」
「ん?なんだ?」
海子姉は優しい眼差しで私に応える。
「初めて会ったあの日。私、急にみんなから無視されて…なにもかも嫌になってたんだ。みんなに声かけても、何も言ってくれなくて…まるで私がそこにいないような感じで…
私は一気に話した。
だから、あの日海子姉が私に話しかけてくれたことがすっごく嬉しかった!」
途中、思い出して泣きそうになりながらも、最後は笑顔で話した。
すると海子姉が…
「そうだったのか…辛かったな。」
そう言うとぎゅっと抱きしめてくれた。